鴻朧館
游月山荘

有馬温泉 月光園便り

有馬温泉 月光園よりお得な情報をお伝えします。

今日の誕生花はホップです。

ホップ、というとビールを思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。

麦ではありません。イラクサ目アサ科カラハナソウ属の植物です。
口に出して言うとちょっと舌をかみそうですね。

和名、西洋唐花草(セイヨウカラハナソウ)

主にビールの原料で、あるホップですが、ビールの中での担当は苦味・香り・泡の他雑菌の繁殖を抑える働きもするそうです。
ずいぶん働き者の成分ですね。

それで思い出したのですが、以前私がまだ学生だった頃、大変ドイツとビールを好んだ先生がおりました。
その先生いわく、ビールはチェコなどのホップ生産地からドイツの方面へ進むごとに苦味が弱くなるそうです。
きっとホップの産地ではビールを作るときにたくさん使うのでしょうね。

ビール以外には、ホップは生薬としての効能もあり、ヨーロッパではハーブの一種として民間薬としてもつかわれているそうです。

さて、そんなホップの花言葉は“信じる心”
こんもりとした実のような部分がかわいらしく、慢性で雌雄が異なる株だというホップ。
信じるということを貫くことが例え苦くとも、
その先には安寧があるということなのでしょうか。
それとも、それをも信じ貫くことが肝要ということなのでしょうか。

なんだか、ちょっと意味深長なように私には思えました。

平成19年10月28日(日)
有馬温泉月光園 岡本

10月18日の誕生花


10月18日の誕生花は「ムラサキシキブ」だそうです。

『源氏物語』という、今で言う長編小説を書き上げた女流作家であり、
中古三十六歌仙の一人。百人一首にも彼女の歌は登場しますね。
その「紫式部」の名をもつ植物です。
秋になると綺麗な紫色をした実をつけるこの植物。

クマツヅラ科の落葉低木で、日本原産だそうです。
背丈は3メートルほど。

一般的によく見られるのは「コムラサキ」の方なのだそうです。
こちらは枝が枝垂れており、実もブドウのように固まって実るそう。
背丈はムラサキシキブより低く、1メートルから1.5メートル。

このコムラサキは庭木や切花で人気のあり、
こちらがムラサキシキブと呼ばれることもあるそうです。

このほかにも白い実をつける「白式部」という種類もあるとのこと。

さて、そんなムラサキシキブの花言葉ですが、

『愛され上手』

だそうです。

越後守藤原為時の娘として生まれ、山城守藤原宣孝と結婚し娘をもうけたそうですが、
その後、宣孝と死別したそうです。
中宮の彰子に仕えたのはその後のことだといいます。
同時期に同じく有名で、ライバルだったと言われることもある清少納言とは
実は面識がなかった、というのは近年では有名な話でしょうか。

そんな紫式部がその人生で愛され上手であったのかは不明ですが、
彼女の54帖にわたる大作、『源氏物語』。
その主人公『光る君』は確かに、愛されることに長けていたようですね。

月光園の游月山荘には、源氏物語の中のそれぞれの帖の名を持ったお部屋が今も残っています。

やはり日本人だからでしょうか。
その名の響きは耳障りがやわらかく、私は日本ならではのはんなりとした静かさを感じます。

紫式部が残した物語という『実』。
歴史に鮮やかな名を刻んだ彼女だからこそ、
この紫の実をつける植物に彼女の名がつけられたのかもしれません。

平成19年10月18日(木)
有馬温泉月光園 岡本

人形の日

今日、10月15日は人形の日だそうです。
1965年に日本人形協会と日本玩具及び人形連盟が制定しました。
この日に因んで全国各地で人形供養や人形感謝祭等が開催されるとのことです。

女の子は大人になっても好きな方は多く、
男の子はいつの間にか離れ、外へ出ます。

赤ちゃんの頃や小さい頃に一緒にいたお人形やぬいぐるみ。
その人形たちだけはなぜか他の人形よりも処分しがたいものです。

そして、なぜか私たちは誰に教えられたわけでもないのに
子供が生まれた友人へ、子供用の玩具や服のほかにも人形を贈ります。

欧米では生まれた赤ちゃんの最初のお友達としてテディベアを贈り、
このテディベアは他のテディベアと区別されて“ファースト・ベア”と呼ばれます。

テディベアの名前の由来はアメリカの第26代大統領だったセオドア・ルーズベルト氏。
彼の愛称がテディだったことから、テディ・ベアになったそうです。

テディベアに限らず、ウサギ・アヒル・ゾウ等色々な人形があります。
その人形は、私たちにとって自分の住む街が世界の全てだった頃からのパートナー。
たとえば、小さい頃、誰にもいえない自分とお人形だけの秘密にしたこと。
それは今からするととても他愛のないことかもしれません。

おねしょを隠したとか、
ラジコンの後ろ側が欠けたのを隠したとか、
『ここに落書きしちゃいけません』と言われていた机の裏にこっそり落書きして、
予定では後でちゃんと消すつもりが消えなかったとか。

きっとその頃の自分にとって、自分の胸だけにおさめきれないけれど、
誰にも知られてはいけないと思った秘密だったのでしょう。
そんな風にそれぞれに思い出があるものです。
でも時として、どうしても別れなければならないときがあります。

そんなときに、それまでずっと一緒にいてくれた家族とも言える友達へ感謝を込めて
ちゃんと弔うために人形供養や感謝祭があるのでしょう。

思い出がたくさん詰まっているものはとても手放しがたいもの。
家族もそうだと思います。
ただ、素直にそれを伝えることはちょっと照れくさくて、
ちょっと恥ずかしいから、ぶっきらぼうになったり。

きっとそういうときの為に、誕生日やお祝いの日があるのだと思います。
『いつもより素直』になる為に。
いつも素直な人でも、機会をもつタイミングをはかるために。

月光園ではお人形の用意は承っておりませんが、
お食い初めや還暦・喜寿等のお祝いをお手伝いする【慶事プラン】をご用意いたしております。
ぜひ、ご一考くださいませ。

平成19年10月15日(月)
有馬温泉月光園 岡本

神無月と神在月

睦月・如月・弥生・卯月・皐月・水無月・文月・葉月・長月・神無月・霜月・師走。

陰暦で月の名を言うと、上のようになります。
中学・高校時代に覚えたものです。今では調べないと順番がおかしくなりますが。

さて、今月は陰暦の神無月にあたります。
日本中の主な神様が出雲に集まって、人の縁の話し合いをするそうです。

だから、出雲は神無月ではなく、神在月(かみありづき)。
丸ひと月の間に、出雲に赴いて会議をして、また自分の社に帰る。

神様も大変です。

日本にはヤオヨロズの神様がいらっしゃるといいますので、
そのままに800万の神様がいらっしゃるとします。

日本の人口はおおよそを四捨五入して1億3千万人。

神様たちが日本人全員の1年の縁を決めるのだとすると、
単純計算で神様1人当たり16.25人分の縁をひと月で決定することになります。

10月は31日までありますので、神様の往復移動時間を抜きにしても
人間1人につき2日弱の時間で決める計算になります。

それが31日間続くわけですので、かなりハードですね。

この間神幸祭を行った湯泉神社の神様も今日は出雲の方へいらっしゃるのでしょうか。
子授けの神様だということは、縁を取り持つ神様でもあるのでしょうから、
きっと今頃は1年ぶりの同僚との再会を果たしながらお仕事に追われていることでしょう。

来月には紅葉も見ごろでしょうから、有馬に帰ってきたらそれを眺めながらゆっくり日常に戻るのでしょうか。

きっと赤湯に浸かって、ハードなひと月の疲れをとるんでしょうね。

皆さまもぜひ、日頃の疲れをほぐしにいらしてくださいね。

平成19年10月3日(水)
有馬温泉月光園 岡本

誕生花

今日、9月23日の誕生花は白いコスモスだそうです。
誕生花は全部で366種類あるそうです。
といっても、私の場合花と言うよりむしろ木だった気もしますが。
コスモスは漢字で書くと秋の桜と書きます。
種族としてはキク科。
秋に咲き、花弁の形が桜に似ていたことからその字になったそうです。

日本人は桜を好む方が多いそうですから、秋にもその面影を欲し、
そう名づけたのかもしれません。

コスモスは桜ほどに散り行く姿の潔さはありませんが、
真直ぐに伸びた茎の先に開いた花弁は確かに愛らしいですね。

桜と違い、桃色・白・赤など濃淡様々なコスモスです。

コスモスの語源はギリシャ語の「秩序」「飾り」「美しい」と言う意味の
「Kosmos, Cosmos」という言葉に由来するそうです。
そして、このことから星がきれいにそろう宇宙のことをcosmosと呼び、
花弁が整然と並ぶこの花の事もcosmosとよぶようになったそうです。

きっとそう呼び始めたギリシャ人は整然と美しく整った様子が好きだったのでしょうね。

語源はともあれ、今ではコスモスの姿を見ると「秋だなぁ」と思います。
私はまだ今年のコスモスに出会ってはいませんが、
コスモスがいたるところで見かける頃には、
有馬の自然も皆、その葉の色を紅に着替えているのでしょうか。

11月の大茶会の頃にはおそらくどの木も秋の姿で揃えているのでしょう。
鮮やかに着替える姿を見るのが今から楽しみです。

平成19年9月23日(日)
有馬温泉月光園 岡本