鴻朧館
游月山荘

有馬温泉 月光園便り

有馬温泉 月光園よりお得な情報をお伝えします。

【有馬温泉月光園便り】赤穂浪士討ち入り

今日は12月14日、赤穂浪士の討ち入りの日、世に言う忠臣蔵ですね。
実際に討ち入りが行われたのは東京の話ですが、もちろん地元赤穂でも義士祭が行われます。

赤穂と言えば忠臣蔵が注目されがちですが、赤穂温泉や塩の国という昔の塩作りの様子を再現した施設もあります。
有馬は温泉が唯一と言ってもいいような観光地だということを考えると、2つ、3つと強みがあるのはうらやましいなと思える時があります。

この月光園便りを書くに当たって、赤穂浪士の討ち入りについていろいろと調べてみました。
忠臣蔵としてのお話と史実との間に随分隔たりがあるというのは、どこか三国志の話と似ている部分が多いように思います。
調べていくほどに、赤穂側が良いようには見えなくなる気がしてきます。

ついでに忠臣蔵と有馬温泉のつながりがあったら面白いな、なんて思っていたのですが、なかなか無いもんですね。
旧国名でいくと赤穂は播磨、有馬は摂津に属していたことも関係しているのかもしれません。
割と近い場所にあるのに、あまり赤穂と有馬には繋がりがありませんでしたが、今後交流があればいいですね。

平成18年12月14日(木) 有馬温泉月光園 奥平

【有馬温泉月光園便り】いい服の日

今日は11月29日、「いい(11)ふ(2)く(9)」の語呂合わせで「いい服の日」となっています。
11月29日とは別に、2月9日が全国服飾学校協会などによって制定されています。

ただ、1129だったら「いいにく」で肉の日でも良さそうなものですよね。
2月9日の方は肉の日になっています。

こういったごろ合わせの記念日、この月光園便りでも何度かご紹介しました。
ただ、探してみればもっとたくさん語呂合わせの日があると思います。
とくに11月は、「いい〜」でたくさん記念日が作れそうですね。

気づけばもうすぐ12月ですね。
でもつい最近まで紅葉していたので、なんだか少し感覚が狂うようにも思います。
これも温暖化のひとつなのかなあ、と思うと少し怖くもありますね。

何にせよ旅館にとって、もちろん月光園にとっても一番の忙しい時期までもうすぐです。
さらに気をひきしめて、皆様をお迎えしたいと思っています。

平成18年11月29日(水) 有馬温泉月光園 奥平

【有馬温泉月光園便り】サッカー発祥の地


今日の月光園便りは神戸の初物のお話で、サッカーの話題です。

実は神戸が日本のサッカー発祥の地だとする説があります。
以前、この月光園便りでご紹介した神戸レガッタ&アスレチッククラブ(KRAC)というクラブが横浜のクラブと対戦したのが、日本初のサッカーの公式戦になります。
サッカー自体は他でも行われていた可能性はあるのですが、正式なものは1887年に神戸で行われたものが最初ということになります。

神戸のサッカーはその後、このKRACの指導によって全国でも抜きん出た存在となります。
現在の全国高校選手権大会の前身にあたる、全国フートボール大会(1918年より開催)では、神戸の御影師範が第1回から7連覇を成し遂げます。
そしてその8連覇を阻止したのも神戸一中でした。

このように発祥の地として、神戸のサッカーは発展していったのですが、Jリーグの開幕時には神戸のチームの姿はありませんでした。
市民チームとして発足したヴィッセル神戸は1997年にJ1に昇格しましたが、現在はJ2のチームとして戦っています。

現在、神戸のサッカースタジアムといえば西区のユニバー記念競技場と兵庫区の神戸ウィングスタジアムがあります。
神戸ウィングスタジアムはワールドカップのために作られただけあって、非常に立派なものになっています。
現在の神戸のサッカーは少し低調気味ですが、ぜひとも盛り上がって欲しいところですね。

平成18年11月21日(火) 有馬温泉月光園 奥平

【有馬温泉月光園便り】十八番のラムネ 〜三ノ宮、東遊園地

今日の月光園便りはラムネの発明者とも言われる、アレクサンダー・キャメロン・シムにまつわる話題です。

神戸三ノ宮の東遊園地にアレクサンダー・キャメロン・シムという人物の記念碑が建っています。
このアレクサンダー・キャメロン・シム、スコットランド出身の科学者であり薬剤師でもあります。
そしてラムネの発明者とされ、さらにはKR&AC(神戸レガッタ&アスレチッククラブ)というスポーツ団体の設立者でもあります。
この記念碑も東遊園地の南隅、KR&ACの建物がかつてあった場所に建っています。

この記念碑のある東遊園地はルミナリエでもおなじみですね。
記念碑は公園の隅の一角を占めています。

シム氏がラムネを製造していたのは旧居留地18番地、今の三井商船ビルの北向かいになります。
そこから「十八番」という商品名のラムネが売り出されました。
そのためかつての神戸では、「十八番」や「シムの十八番」といえばラムネのことで通用したと言います。

この「十八番」のヒットによってシム氏がラムネの発明者とされることが多いのですが、どうも実際はラムネそのものの発明者ではなく日本で大きく普及させた人物、という方が正しいようです。
シム氏の会社、シム商会がラムネの製造販売を始めたのが明治17年。
ところがそれより以前の1865年(慶応元年)、長崎の藤瀬半兵衛という人物がレモン水=レモネードの製造を行っています。
このレモネードがなまってラムネの語源となりました。
ラムネの製造販売は明治5年、東京の千葉勝五郎という人物によって行われており、その発売の日とされる5月4日がラムネの日となっています。

そこからラムネの真の発明者は誰なのか、と調べてみたのですが今ひとつはっきりしません。
決定的な発明者と言える人物はいない、というのがどうも真相のようですね。
最初期の素朴なレモン水から始まり、そこに炭酸が加わりコルクで栓をし、そのコルクからビー玉(ラムネの中の玉はA玉と言います)で栓をするようになり、、とたくさんの技術革新によって現在のラムネが出来上がっています。
どの技術もラムネの成立には不可欠なもので、たくさんの「発明者」がいてもおかしくない状況ではあります。

このビー玉詰めのラムネ、特に日本で広く普及し、愛飲されてきた飲み物で、現在他の国で見かけることはあまりないようです。
海外の方には珍しいようで、私自身フロントで海外からのお客様に「どこでラムネが買えるのか教えて欲しい」と尋ねられたこともあります。

日本以外の各国では、ビー玉でなく王冠で栓をする技術が普及したため、ビー玉入りのビンは姿を消していきました。
ところが日本のラムネメーカーは零細企業が多く、設備投資をする余裕がなかったことから現在の形のラムネが残る原因となりました。
ただ2006年現在ラムネのビンを製造するメーカーはなく、100%リユースによってビンを使用しているそうです。
最近だんだんと目にすることが少なくなったラムネですが、日本の夏の風物詩として、ぜひ残って欲しいものですね。

平成18年11月18日(土) 有馬温泉月光園 奥平

神戸レガッタ&アスレチッククラブ
(写真下)
シム氏によって設立されたスポーツクラブで、ラグビー、サッカー、テニスやクリケットなどの他、国際交流事業などにも取り組んでいます。
関西在住の外国人を中心に幅広い活動が行われており、1870年設立の歴史を今に伝えています。

【有馬温泉月光園便り】神戸市中央区東雲通(しののめどおり)


ここのところ地名の起源の話を続けているので、さらに気になった話題をひとつ。

神戸市中央区に、東雲通と書いて「しののめどおり」と読む地名があります。
阪急春日野道駅のすぐ近所にある場所で、昔ながらの街並みを残した住宅街といった感じの地域です。
ネスカフェ、サントリーの自動販売機で100円販売に挑戦しているものがあったりして、なかなか興味深く散歩できます。
 東雲、というのもぱっと見では読めない地名ですが、昔の和歌などでよく使われていた言葉です。意味は明け方に東の空が明るくなる様子や、夜明けのことを言う場合もあります。
この「しののめ」のような読み方を熟字訓といいます。
2つ以上の漢字を訓読みするというもので、明日「あした」や、田舎「いなか」、果ては人鳥「ぺんぎん」なんてものもあります。
日本語を母語としない人が日本語を勉強するときのハードルになると同時に、日本語の奥深さを感じるものの一つでもありますね。

以前、漢字検定の勉強をしていた時に、この熟字訓が意外と難しかった覚えがあります。
漢字の読み方なんて余裕だろう、なんて思っていたら結構難しいものがあって、普段まず使わないような読み方も多くて戸惑いました。
 ちなみにこの東雲という言葉が使われた和歌としては、

     東雲のほがらほがらと明けゆけば おのがきぬぎぬなるぞ悲しき
     (意味:明け方になってしまって、着物を着て離れ離れになるのが悲しい)
     古今和歌集  読み人知らず

というものがあります。
地名ひとつ取ってみても、その語源を調べていくと本当に奥が深いと思います。
まだまだ調べていたいぐらいなのですが、明日はそろそろ別の話題をお届けできればと考えています。

   有馬温泉月光園 奥平